2015.01.10 LED電源の音が良い訳



「LED電源はなぜ音が良いのか」と聞かれることが良くあります。

「ツェナーダイオードはノイズを出すからだ」と答えていますが、それだけじゃ納得しずらいですよね。ちょっと調べると
ツェナーダイオードがつくるノイズは、アバランシェ降伏によるものなので、ノイズ源としてはインピーダンスが非常に低いことが特徴です
一般的にやらないと思いますが、ツェナーダイオードに並列にコンデンサを接続しても
ノイズ対策に対する効果は望めません、(電圧振動が電流振動に変換。あるいはノイズの低周波化などノイズのモードが変わります)

つまり、ツェナーの発するノイズはインピーダンスの非常に低いから取りにくいということですね。

また、アバランシェ降伏は,定常的にインピーダンス変化の振動をともなっていてツェナー電圧 Vz 近くで振動することになり、
その振動は、時間的な規則性のあるものではなくランダムである。これは半導体のつくる代表的なノイズであるということです。

これに対しLEDはキャリアーの結合で光が発生するのでアバランシェとは異なりノイズの少ないクリアーな電源が作れる、という訳です。

2015.01.12追記
一般的な3端子レギュレータも基準電圧にツェナーを使っているのでLED電源にすると効果があります。
また、LED電源は光ってきれいだから、と思っている方もいるようですが正解は音が良いからです。

おまけですが、5V以下ではツェナーとLEDでは流れる電流によって変化する電圧に違いがあるということです。 図1のツェナーダイオードの場合流れる電流が1mAから10mAに変化した場合3.9Vのツェナーの特性を見ると1mAの時は3.7Vくらいですが、 10mAの時は4.5Vに変化しており、0.8Vもの変化があることが分かります。


図1



次に図2のLEDの場合ですが、1mAの時1.8Vだった電圧が10mAの時1.9Vくらいで0.1V程度しか変化しないということです。
これは、特にDIGITAL電源の3.3Vや5Vを作る場合LED電源の方が有利だということです。
しかしLEDを8個以上並べるて15V程度を作ると今度はLEDの方が変動が大きいことになってしまいます、しかし15Vの3端子とLED電源
では、圧倒的にLED電源の方が音が良いので、前者のアバランシェ降伏によるノイズの影響が支配的であると言えるでしょう。



図2



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